中国語学習

【留学希望者必見】留学申請方法や資格、費用などを徹底解説!

みなさんこんにちは!さて、今回は留学経験のあるさとみ(仮名)さんにお話を伺いました。

急速に成長している中国へ語学留学は、今や英語圏に次ぐ人気の留学先となっています。中国語を学ぶにはやっぱり現地に行ってしまうのが一番!ここでは留学するにあたって、留学方法の種類、それに応じた申請方法と費用などをご紹介します。(参考:日本学生支援機構HP 2018(平成30)年度日本人学生留学状況調査結果

現地での生活もご紹介するので、ぜひ留学するか迷っている方、どんな準備をしたらいいか分からない方は参考にして下さいね。

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【中国留学希望者必見】中国への留学について準備から学校生活まで徹底解説!
中国に留学するためには、色々な準備が必要です。エージェントに頼んで委託するのも良いですが、自分の知識としてまずは勉強しておきましょう!

目次

留学生にも種類がある!

中国に語学留学するには、中国の大学が留学生向けに開講している語学コースか、現地大学の学部に通う事が多いです。中国の学校は2期制で秋9月~1月、春2月~7月となります。1年間通う場合には海外の学生も含めると9月~7月の期間で行く学生が多いです。

学生には種類があり、主に「漢語進修生」「普通進修生」「本科生」があります。

①漢語進修生

数週間~2年の単位で中国語を学ぶコースで、日本人留学生のほとんどがこのコースです。留学生のみで中国語のクラスが構成され、中国人学生と同じ授業に参加することはできません。

留学開始時の中国語レベルとしては、大学の第二外国語を履修しHSK3級程度まで取得した位の学生が多いです。“語学留学”といえばこのコースで、長期休暇を利用して数週間の語学研修に行く場合もこの「漢語進修生」と同じクラスになります。

②普通進修生

半年~2年かけて、中国人と一緒に自分の専門分野で学部(中国語で「学院」)に属して学びます。大学に在学している場合には2年生を修了している必要があります。

中国人と同じ学部のため、HSK6級相当の中国語レベルが求められます。人数としては日本人留学生の中では漢語進修生の次に多いコースです。日本の大学で外国語や国際系の学部に所属しているようであればこちらのコースを利用することになるかと思います。

③本科生

試験を受けて正式に入学する、4年間の正式な留学です。中国人を同じ学部で学び、4年間所属して学生生活を送り、必要単位を取って卒業後すれば学士号を取得することができます。

留学方法の種類と申請資格について

ここでは「漢語進修生」と「普通進修生」向けとして留学の方法をご説明します。

①交換留学 

日本の大学に通いながら、一定期間(一般的には半年か1年間)日本の大学の協定先になっている海外の学校に通う留学方法です。協定校での単位認定がされるため日本の大学の在籍年数にカウントされ、休学する必要がなく4年間で卒業できることが多いです。

ただし、行先が協定校に限られていたり、期間や専攻が指定されているケースが多いため、自分の希望に沿って留学計画が立てられるか調べる必要があります。

留学資格 在籍する大学によって募集要項は異なりますが、語学レベルとしては中国語検定3級、HSK4級以上が目安となります。大学の第二外国語を2年間履修した程度のレベルとなります。
申請方法 大学によって異なりますが、交換留学生の人数が制限されているため書類選考や面接で学内の選考があります。自分の大学の留学センターや国際センターなどに良く確認しましょう。
費用 学費は協定校に対してではなく、日本の大学に授業料を収めるパターンが多いです。自費で用意する必要があるものは寮費、航空券、現地生活費、旅行保険、ビザ申請費用などになります。学校毎の奨学金や、後に説明する公費の奨学金を使える場合もあります。

②私費留学 

自分で滞在都市、学校、専攻、期間を選ぶことができます。自分で留学を希望する大学に出願し入学します。日本の大学と同じような専攻を選んだ場合には、日本の大学の単位として認定され休学せず4年間で卒業できるケースもありますが、多くは休学となります。

自分が在籍する日本の大学にも、協定校以外の大学の資料がある場合もありますので、留学センターや国際センターに確認してみましょう。

留学資格 募集要項は留学を希望する大学のホームページなどで確認します。学歴が大学在籍以上や年齢制限などが書かれています。語学レベルの指定はありませんが、全くできない状態だと現地のクラス分けで初級クラスになってしまいます。初級クラスではリスニングなどは初級だとしても、日本人は漢字ができてしまうので単語のレベルなどで退屈な思いをするかもしれません。留学時に中国語検定3級程度まで取得しておくのがお勧めです。
申請方法 各大学のホームページから、オンラインで出願するのが一般的です。基本的に中国語が英語で手続きになるため、寮やビザ申請も含めて留学エージェントにお任せしてしまうのも良いでしょう。春学期の申請で10月~12月まで、秋学期の申請で4月~6月までが目安となります。
費用 基本的に全額自己負担です。具体的には学費、寮費、航空券、現地生活費、旅行保険、ビザ申請費用になります。

日本の大学に在籍しながら私費留学をし休学扱いになる場合、休学中の学費を日本の大学に納なければいけない大学もあります。学費を全額納めなければいけないところもあれば、半期で5万程度のところも。

③公費留学

中国に留学するにあたって使える奨学金はいくつかありますが、ここでは代表的な「中国政府奨学金」についてご紹介します。

中国政府が外国人留学生に対して募集を行っている奨学金で、学費無料、寮費無料、生活費月3000元が支給され、返済は必要ありません。寮は原則2人部屋です。滞在してみて1人部屋に変えたいなど希望があれば、差額を自己負担することで変えることができます。日中友好協会または日本学生支援機構から出願となります。日中友好協会の場合、漢語進修生は「普通進修生(A)」として、普通進修生は「普通進修生(B)」として募集されています。

申請方法 毎年1月。日中友好協会HPまたは日本学生支援機構(JASSO)HPから申請。
出願資格 普通進修生(A)の場合、高卒以上、30歳以下、高校又は大学で中国語を履修していた、HSK3級以上。普通進修生(B)の場合、3月に大学2年が終了見込み、日本での先行分野と同じであること、45歳以下、HSK3級180点以上。
費用 航空券、現地生活費(月3000元で足りない分)、旅行保険、ビザ申請費用。

ここまで紹介した留学の種類の中では費用面で言うと一番お得な方法です!

参照:日本中国友好協会HP 中国政府奨学金https://www.j-cfa.com/studyabroad/

それぞれ費用はいくらかかるの?

では具体的に費用について、項目毎に見ていきましょう。交換留学、公費留学の場合はそれぞれ負担しなくて済む項目がありますから、下記の一覧からご自身が支払うべき項目だけ参考にしてください。

※レートは2021年2月時点です。入学申請料と授業料、寮費は北京の清花大学と上海の復旦大学を参考にしています。

入学申請料 6500円
授業料 40万円(1年)
寮費 40万円(一人部屋)、27万円(二人部屋)10か月滞在として計算しています。
航空券 10万
現地生活費 月5万
旅行保険 20万(10か月)
ビザ申請費用 8000円

私費留学で全額負担する場合は最低限として上記の合計の165万程度は見積もっておきましょう。中国での食事は、定食屋のようなところで10元~20元程度(160円~320円)程度で済みます。ちょっといいところでお酒を飲んだとしても100~200元程度なので、食費だけだと2~3万円程度で済むかと思います。その他光熱費や移動費、携帯代金を含めて5万程度としています。せっかく中国に行くのだから旅行も存分に楽しみたい!ということであればプラスで用意しておいて下さい。

航空券については、フライト時間がそんなに長くないのでLCCもお勧め。すぐに必要でない服などは船便で送ると良いでしょう。船便だと1か月前後はかかりますが、東京~上海間で10キロの荷物を送るのは約4千円です。

参考:

・復旦大学ホームページ 2021年春季学期汉语进修项目

・復旦大学公寓简介

・清華大学ホームページ 国际学生住宿指南

・Admission of Chinese Language Program in THU

・中国签证申请服务中心

現地の生活はどんな感じ?

①一日のスケジュール

上海の大学に留学していた筆者の一日の流れをご紹介します。平日は大体こんな感じ。


中国の授業は朝8時からです。早い!と思うかもしれませんが、なにせ寮は大学の敷地内なので7時に起きても授業に間に合います。教室まではドアtoドアで15分でした。

ランチ
言語進修生の授業は午前のみです。お昼からはフリーになりますので、筆者は平日毎日クラスメイトとお昼ご飯を食べに行っていました。クラスには日本人もいましたが、外国人のクラスメイトも交えて行くことで、授業で習った単語で会話しながらランチできました。

フリータイム
午後は完全フリー。人にとって過ごし方は千差万別ですが、寮のロビーでクラスメイトと集まって宿題をすることが多かったです。あとはスーパーに買い物に行ったり、ランゲージパートナーの中国人学生と会ったり。一人で部屋で中国ドラマ鑑賞することもありました。

夜ご飯
夕食は寮に共用のキッチンがありましたので、簡単に自分で作ったり、時には日本人同士で懐かしの日本食を作ることも。金曜日は夜遅くまで友達と飲み歩くことも留学の醍醐味ですよ!(タクシーが安いので終電気にしなくていいですからね)

②中国での授業

授業が始まる前にクラス分けテストが行われます。テストの成績に応じてクラスが発表され、基本的にそのクラスで半年間過ごすことになります(レベルが合わなければ変えることもできます)。授業は听力(リスニング)、阅读(リーディング)、写作(ライティング)、口语(スピーキング)が主となります。宿題もたっぷりでますので、毎日1~2時間は宿題に費やします。HSKの前になると、宿題とHSKの対策の2本立てで進める必要があるので、夕食まではずっと勉強する感じになります。

中国語検定3級くらいのレベルから始めるクラスでは、アジア系の学生が半分くらい、残りが欧米系という感じです。クラスでの公用語は簡単な中国語でした。中国語完全初心者のクラスでは欧米の学生が多く、クラスでの公用語は英語のようでしたので、やはり予め留学前に中国語を勉強しておいた方がいいと思います。

筆者はこのクラスメイト達と過ごす時間が一番多く、一生ものの友達となりました。クラスメイトと過ごす時間=会話の練習時間にもなりますので、せっかくですからたくさんコミュニケーションを取って下さいね!みんな寝ていますが(笑)教室はこんな感じです。

③滞在先

学生寮は基本的に大学の敷地内にあります。日本の大学に比べると中国の大学の敷地は広大で、自転車移動は必須です(入学の時期になると学内で自転車が販売されますよ!)。

部屋は基本的に2人一部屋。部屋にはそれぞれのベッド、勉強机があり、洗面所、トイレ、バスルームは共用です。ツインルームのような作りで、間仕切りはありません。

ルームメイトはランダム
ルームメイトは選べませんので、相性に寄るところがあります。ルームメイトと仲良くなり帰国後も連絡を取るような関係になることもあれば、あまり部屋にいないタイプで干渉し合わないこともあります。どうしてもプライベートの空間が限られますから、気になる方は費用が1.5~2倍かかりますが1人部屋をお勧めします。

部屋の中
1人部屋はベッド、勉強机、洗面所、トイレ、バスルームがあるところもありますし、勉強机がある寝室だけ1人部屋でリビングが水場は4人共用の部屋もあったりします。4人共用の場合は2人部屋よりも多少金額的には安くなります。基本的に留学は半年毎(学期)にメンバーが変わり、支払いも半年毎なので、それに合わせて部屋タイプを変えるというのもありです。

キッチンや洗濯
キッチンや洗濯機はついていませんので、各階や各棟にある共用のものを利用します。キッチンに共用の大型冷蔵庫がありますが、小型の冷蔵庫(有料)を借りられる場合もあります。

【体験談】
ちなみに筆者は最初4人共同の部屋に住んでいました。寝室はプライベートが保たれるものの、他3人のルームメイトが夜中まで共用スペースで動画を大音量で流していたため、差額を払って完全1人部屋に移りました。半年後また4人共同の部屋に戻りましたが、その際のルームメイトは用事があるときだけ共用スペースに行くタイプでした。コミュニケーションを取る機会はあまりなかったのですが、落ち着いて生活することができました。

1人部屋や、ルームメイトとコミュニティが同じになった場合などは友達を部屋に呼んで一緒に食事をしたりすることもできます。こればっかりは運でしかありませんが、筆者のようにどうしても合わない!とうこともあるかもしれませんので、念のため寮費は少し多めに見積もった方がいいかもしれません!

④どんな友達ができる?

留学生同士

筆者が一番仲良くなったのは、同じ時間を多く過ごしたクラスメイトです。違う国同士ですが毎日一緒にランチに行ったり、休日にはお出かけしたりしました。同じ目標に向かって切磋琢磨し、本当に濃い時間を過ごすことができます。留学生向けの交流イベントや、ハロウィンパーティなども開催されるので友達の輪もどんどん広がっていきますよ。

日本人学生

何かあった時に助け合えたり、久々の日本食パーティをしたりと、日本人は日本人で良いコミュニティが作れます。留学に来たからには日本語は話さない!と決めるのも一つの方法ではありますが、大学では出会えないような方々と出会えたり、日本人でも中国語堪能な人に刺激を受けたりもできますよ!

中国人学生

普段留学生のコミュニティにいると実は中国人の友達を作る機会ってなかなか無いんです。

筆者の留学先には日本語学科があったので、友達の友達…という感じで紹介してもらいランゲージパートナーになってくれた人がいます。その人とは帰国後もチャンスがあれば会ったりと交流が続いています。

また、もし趣味があれば現地のサークル活動に参加することもできます。留学生向けに募集しているものは少ないので、自ら探してみましょう。は音楽が趣味でしたので、練習室を借りて演奏していたところ、たまたま中国人学生が声をかけてくれて誘ってもらいました。中国語はまだまだでも、共通の趣味があれば意外となんとかなるものです。

クラスメイトとの一枚。

まとめ

いかがでしたか?自分に合った留学の方法は見つかりましたでしょうか。しっかりと下調べをして、ぜひ留学にチャレンジしてくださいね。中国語のスキルアップはもちろん、一生の思い出となる様々な体験が待っていますよ!

気をつけるポイント!

・留学といっても、中国の大学で勉強する学部はいろいろあるよ。
・自分の費用に応じた学部を選ぼう
・費用や申請資格について知っておこう、そして準備をしよう
・留学の1年~4年の費用を事前に計算をして準備をしよう
・具体的な大学生活を知ることでイメージを膨らませ、目的をもって留学しよう