はじめに
中国に渡航することが決まったら、渡航前に中国でインターネットに接続出来る様に日本で準備していくことをおススメしている。ちなみにお隣中国では【グレートファイアウォール】というネット検閲システムが備わっているため、日本でよく使っているGoogleやYahoo!などの検索サイトやFacebook・Instagram・YouTubeといったSNSは使用することが出来ない。
そのため中国から上記のwebサービスにアクセスする為にはVPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)という仮想の通信技術を使ってグレートファイアウォールを回避する必要があ る。VPNの説明はまた次回にするとして、今日はまずは中国でそもそもインターネットに接続して使用する為に日本でやっておきたい準備について解説する。
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・中国でインターネットを使用するための、6つの方法について
・中国でインターネットを使用するために、赴任前にやっておきたい準備について
1、中国でインターネットを使う方法【6選】

中国に行った際に、インターネットを使う方法は何種類かあるが代表的な方法は下記の通りである。注意したいのは下の方法はあくまでも中国国内で使えるインターネットサービスを使う方法である。そのためGoogleやYouTube等などを使いたい場合は別途VPN等を利用する必要がある。
※VPNについては後日、別途解説するのでそちらを確認してもらいたい。
A,無料のWi-Fiスポットを利用する
B,海外で使えるレンタルWi-Fiを利用する
C,携帯各社キャリアの海外ローミングを使う
D,中国で使えるSIMカードと使う
E,現地のネット会社と契約する
F,中国で長期で使えるレンタルWi-Fiを利用する
2、それぞれのインターネット接続方法について

A,無料のWi-Fiスポットを利用する(短期・中期・長期)
こちらは、空港やレストランやホテルなど公共のWi-Fiスポットを利用する方法である。海外旅行に行った際は良く利用する手段である。
こちらの方法のメリットは、無料である事とWi-FiのルーターやSIMカードが必要ない事、更にネットアクセス関しては制限のある中国だが、Wi-Fi環境に関しては、実はかなり良好で、上海や北京といった大都市やもちろん、地方の中堅都市でも町のあちこちで無料のWi-Fiスポットが見つかる事である。
逆にデメリットとしては、セキュリティに不安があるためパスワードや個人情報が読み取られる可能性があるという点とインターネットへの接続が安定しない場所があるという点、慣れないとパスワードの発行や入力が難しい、またこの方法ではVPNを使用しないと日本でのネットサービスを利用することが出来ないという点である。
・Wi-FiのルーターやSIMカードが必要ない
・中国では無料のWi-Fiスポットが沢山ある
・セキュリティが不安
・慣れないとパスワードの入力などちょっと大変
・VPNを使わないと日本のサービスは使えない
B,海外で使えるレンタルWi-Fiを利用する(短期)
海外でインターネットを利用する際に次に思いつくのが、海外用Wi-Fiルーターのレンタルである。空港で簡単な手続きで気軽にレンタルでき、海外でも日本と同じようにインターネットを利用することが出来るので、主に海外旅行者に人気のサービスである。
各社様々な地域への渡航で使えるWi-Fiをレンタルしているが、中国でグレートファイアウォールの影響を受けずに日本と同じようにネットを使いたいのであれば、例えばイモトのWi-Fiの「中国プレミアム回線プラン」や、グローバルWi-Fiの「特別回線プラン」を申し込めば、中国でもVPN使用せずにGoogleやYouTubeを見ることが出来る。
レンタル金額は一日に使用するギガ数によるが一般的には、1日当たり600円~1200円が多いようである。
レンタルWi-Fiのメリットは、使いやすさと手配のしやすさ、一日当たりの利用料が比較的安い、中国専用のプランのWi-FiをレンタルすればVPN不要で日本のネットサービスが利用できると言った特徴がある。
デメリットとしては、プランが沢山あって迷う点や、長期の滞在には向かない、Wi-Fiルーターは盗難に会いやすいと言った点である。
イモトWi-Fi


こちらがイモトのWi-Fiの料金表である。中国一国だと大体一日、上記のような金額となる。
グローバルWi-Fi


続いて、グローバルWi-Fiである。こちらも料金表を添付するので良ければ参照して頂きたい。
・手配しやすく使い慣れている。
・VPN不要で日本のネットサービスが利用できる。
・1日当たりの利用料金が比較的安い(600円~1200円)。
・プランが豊富でどれが最適のプランか迷う。
・長期の滞在には不向き(2週間くらいが目安)。
・Wi-Fiルーターは盗難の被害にあいやすい。
C,携帯各社キャリアの国際ローミングサービスを使う(短期)
大手キャリアの海外ローミングサービスを使うという手段もある。こちらはドコモやソフトバンク、auと言った国内携帯会社が提供するサービスで、こちらのサービスを申し込むと、現地の通信ネットを利用し海外でも日本と同じように携帯を使用することが可能である。
ローミングと言うのは、例えば海外に行った際など、普段使っている電波が届かない場所に行った時に、提携している現地の通信会社の電波を受信出来るサービスの事である。ポイントはローミング中はインターネットを使用している国ではなく、元々携帯の契約をしている国に通信が飛ばされるため中国国内でのネット規制を受けないことである。つまりVPN不要で国内のサービスが利用可能である。
さらに金額についても、ちょっと前までは3000円/日くらい費用が掛かっていたのだが、最近では例えばドコモの「パケットパック海外オプション」を使えば、1日当たり約800円程度で利用できるため、実は海外レンタルWi-Fiよりも安く利用できるというメリット(※ソフトバンクはちょっと割高感あり・・)がある。
さらに海外Wi-Fi等のレンタルや返却と言った手続きや、Wi-Fiルータの充電と言った手間が無くなるので近年徐々に利用する人が多くなっている手段である。デメリットとしては、海外でも帰国後でも既定のデータを使い切った場合速度制限が掛かってしまい殆どネットが使えなくなってしまう点と利用日数に制限(最大で、7日間程度)でがある点である。そのため長期の利用には向いていない。
NTTドコモ(パケットパック海外オプション)



上記の様に中国でも使用可能の様である。料金は1日当たり約800円程度である。
au(世界データ定額)
auの場合は、事前に申し込みをすることで、1日当たり690円で利用が可能である。
ソフトバンク(海外パケットし放題)


ソフトバンクは、一日定額で1,980円で大手の中では一番高い。
・手続きが簡単
・Wi-Fi等のレンタル・返却等が不要
・金額が比較的安い
・VPNが不要
・速度制限が掛かる
・利用日数に制限がある。
・長期滞在には向かない
D,中国で使えるSIMカードと使う(短期・中期)
次に検討したいのは、中国で使えるSIMカードを使う方法である。これはSIMロックを解除したスマホを事前に準備しておき、プリペイド式のSIMカードをスマホにさして使用することが出来る。
こちらのSIMカードの一番のメリットは金額の安さである。Amazonで簡単に購入が出来る上、8日間有効で4GB使えるSIMカードが、970円で手に入るので携帯のローミングや海外レンタルWi-Fiに比べて非常に安く利用することが出来る。
中国がローミングの対象国に入っている「海外のSIMカード(※下記に記載)」を利用する。
例えば香港のSIMカード使って中国国内でインターネットを利用すると、香港にデータが飛ばされ通信していることになるため、中国国内での規制は受けない。ちなみに中国国内でこの香港SIMカードを購入することは出来ないので、必ず日本出国までに購入しておく必要がある。
上記の手順を踏むことで中国国内でのネット規制を受けずに日本国内のサービスを通常通り利用することが出来るというメリットがある。。
デメリットとしては、スマホのSIMロックの解除が必要な事と、シムカードの入れ替えに多少手間が掛かる。データを使い切ったら、チャージをすることも可能であるが基本的には予備のSIMカードを買っておいて使い捨てで新しいSIMカードを使う人が多い。
中国で使えるおススメSIMカード
①【中国聯通香港】中国 8日間 4GB アマゾンで970円で購入可能↓↓
②【中国聯通】 中国 30日間 4GB アマゾンで1900円で購入可能↓↓
・利用料金が安い。(4GB,8日間=970円)
・Amazonで簡単に購入が出来る。
・VPN無しで国内サービス利用可能
・SIMロックの解除が必要。
(※ネットでやり方の説明が記載されているが、調べるのが面倒くさければ携帯ショップに行けば10分くらいで3300円税込みでやってくれるのでどちらか好きな方法を選択すれば良い。)
・SIMカードの抜き差しが面倒くさい。
・香港SIMカードは中国では購入出来ない。
E,中国国内のネット会社と契約する(長期)
中国も日本と同じように、スマホやタブレットのネット接続でキャリアのデータ通信(有料)を利用することが出来る。
長期で中国に滞在する場合は、日本からSIMフリーのスマホを持ち込み、中国のキャリアと契約したほうがお得なケースもある。しかしこれには実際に中国に行ってから契約をしなければならない為、渡航前に準備することは難しい。
また中国での生活に慣れない内は一人でキャリアの店に出向き中国語で契約のやり取りをするのが難しいと思われる&契約してネットが使える様になるまで時間が掛かる(1週間程度)ので、中国渡航前は別の方法でネットに接続する手段を検討することをお勧めする。
中国に渡航して暫く経ってから大手のキャリアと契約を検討する方が無難である。
・中国移動(CHINA MOBILE)
・中国聯通(CHINA UNICOM)
・中国電信(China Telecom)
中国の携帯はSIMカードを購入して携帯に差して使用するタイプなので、SIMフリーの携帯を持っていない場合は現地で購入が必要となる。またSIMカードの購入には実名登録が基本なので、パスポートを持って行かないと購入が出来ない。
・中国滞在が長期の場合はお得な場合もある。
・中国の電話番号が手に入る。
・中国語でキャリアの契約をする必要がある。
・ネットが使える様になるまで時間が掛かる。
F,中国で長期で使えるWi-Fiルータを利用する(長期)
初めて中国に行く場合は、慣れない環境でネット接続に苦戦することなくスムーズにインターネットに接続出来る様にしたい。
その為には予め日本国内で手配が完了していることが理想となる。中国赴任や留学など長期での滞在が決まっている方は、海外旅行用のレンタルWi-Fiやキャリアの国際ローミングのような短期のサービスでは無く長期で使えるサービスの方がお得である。
私も海外赴任というポジションで長期で中国に赴任するので、上記と全く同じような状態だった。
そこで検討したのが、中国で長期で使えるポケットWi-Fiルータ、及び自宅に設置型のWi-Fiルータである。こちらと海外旅行用のWi-Fiルーターとの違いは、利用を開始すると毎月新たなSIMカードが送られてきて、そちらをルーターに差して長期間使用する点である。
調べてみたところ、ジョイテックという会社の「どこでもWi-Fi」とチャイナデータという会社の「中国専用ポケットWi-Fi」が上記に該当することが分かった。どちらとも大きな特徴は「GoogleやInstagram等がみられる国際回線機能」を備えていること。つまり、VPNを使わなくても日本でのサービスが使えるという点である。
①ジョイテック

移動時も使える中国どこでも使えるWi-Fi【モバイルプラン】と、自宅のネット環境に接続して大容量の通信も制限なしで使用が出来る【ホームプラン】という2通りのプランを選択する事が出来る。料金はモバイルプラン(5050円/月)、ホームプラン(5820円/月)である。使用できるデバイスは無制限なので、自宅で家族でスマホを見ながらパソコンを動かしたりすることが可能である。
②チャイナデータ

こちらはモバイルタイプの中国専用ポケットWi-Fiルーターのレンタルサービスである。料金はスーパーチャイナデータプラン(880円/日・21000円/月)で、チャイナデータベーシック(780円/日、18000円/月)という2つのプランを選択することが出来る。使用できるデバイスはスーパーだと10個、ベーシックだと5個となる。軽量で使いやすいデザインだが、コスト面ではジョイテックより割高である。
・長期間利用が可能
・日本から簡単に手続き可能
・中国に到着したら直ぐにインターネットに接続可能
・VPN無しでも日本のネットサービスが利用できる。
・利用データ量に上限がある。
・シムカードよりは高いが、携帯の国際ローミングより安い
3、【中国赴任】一番お勧めなインターネット使用方法

ここまでの検討で、「A:無料Wi-Fiスポット」「B:海外で使えるレンタルWi-Fi」「C:携帯キャリアの国際ローミング」を使う方法は、中国旅行や出張なので短期で中国に行く場合に有効だが、中国赴任の様に長期で中国に行く場合には費用が高くなってしまう。
「D:中国で使えるSIMカード」は比較的安くインターネットを使用することが出来るし、VPNを使用しなくても日本のネットサービスを利用出来るのでおススメだが、長期利用という視点で考えてみると予め中国で使用する予定のSIMカードを日本国内で大量に購入しておく必要がある為、いきなり高額な出費が必要となってしまうので少し危険(※使っている携帯との相性やその他予期せぬトラブルの発生)と思われる。
次に「E:現地のネット会社」は、中国に渡航前は申し込むことが出来ないので不可。そのため中国赴任で一番のおススメは、及び「F:長期レンタルのWi-Fiサービス」となる。FのレンタルWi-Fiを日本国内で申し込んで受け取っておけば中国についてから直ぐにインターネットが利用出来る。
A,無料のWi-Fiスポットを利用する
⇒ 短期利用限定の為NG!
B,海外で使えるレンタルWi-Fiを利用する
⇒ 短期利用限定の為NG!
C,携帯各社キャリアの国際ローミングを使う
⇒ 短期利用限定の為NG!
D,中国で使えるSIMカードと使う
⇒ 大量のSIMカードをが必要の為NG!
E,現地のネット会社と契約する
⇒ 中国でしか申し込めない為NG!
F,中国で長期で使えるレンタルWi-Fiを利用する
⇒ 日本申し込める&長期で使えるOK!
まとめ

以上である、私自信の経験で言うと中国渡航前に「F,中国で長期で使えるレンタルWi-Fiを利用する」方法で、ジョイテックの中国どこでもWi-Fiを申し込んで使用している。
こちらのサービスを申し込むと日本出国前に、日本&中国どちらでも使用出来るSIMカードが自宅に届き、その後中国に到着してから滞在先のホテル(⇒自宅も可能。)にルーターを届けてくれた。そこでルーターにSIMカードを差して使用しているが、現状中国から問題なく日本と同じようなネットサービスを利用することが出来ている(日本に比べるとネット速度は多少遅いが・・)。
中国では元々日本よりかなりネットの速度が遅いのは聴いていたので、さらにVPNを使うとただでさえ遅い中国の通信速度がさらに遅くなってしまうので、VPNを通さず世界のネットサービスに接続出来る、中国どこでもWi-Fiを選んで大変満足している。
これから中国に赴任されるようであれば、是非参考にして頂けると幸いである。
[blogcard url=”https://crazychina.jp/2020/08/27/recommended-chinese-vpn/”]
中国で長期で使えるレンタルWi-Fiを利用する。
【おススメ】ジョイテックの中国どこでもWi-Fi