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第2回【働いた人だけが知っている】中国ビジネス体験記『営業職の佐藤(仮名)さん』|中国駐在情報ナビ
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第2回【働いた人だけが知っている】中国ビジネス体験記『営業職の佐藤(仮名)さん』

みなさんこんにちは!これから中国に駐在する方へ向けて、今回は営業職で中国駐在をされていた佐藤さん(仮名)の体験談をご紹介します!

中国で仕事をする上でまずは知っておくべきことを、佐藤さんの体験記から学ぶことができます。中国に渡ってから「どうすればいいんだ~!!!」と悲鳴をあげないためにも、ぜひ体験記のリアルな声を聞いていただき、参考にしてみてください!

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目次

中国ならではだなと感じた仕事の経験談や失敗談

①要求はいつも「最大数量」「最速納期」

私の仕事は、相手先が新たに製品を作るための設備を受注する事ですが、相手先から要求される設備台数はいつも「最大数量」、納期はいつも「最速納期」です。
こちらはその数量と納期に合わせて発注がかかる際の生産計画を組み、工場側や外注先にも準備させますが、ほとんどの場合その話の通りになりません。打合せの過程で台数は見直しが入り、いつの間にか最初の数量の半分以下、納期もずるずるずれて「決まり次第」になってしまいます。

おかげで生産を予定していた工場側からは「いつになったら手配がかかるんだ!」と怒られ、短納期のために先行で仕事を進めていた外注先には補填を要求される事態が多発。良く「オオカミ少年(だいぶ大人ですが)」呼ばわりをされたものです。最近はこのやり方に慣れてきて、中国側からの商談内容は話半分で考える様にしています。

②腐敗取引の撲滅

「当社は腐敗取引を根絶し、公平な取引を推進します」10年ほど前に訪問した新規取引先の打合せ机上の柱に書いてあった標語です。中国社会の裏取引や汚職を根絶すべく、政府側も腐敗取引に対して取り締まって来た効果を感じました。

その日の商談が順調に終わり、訪問したメンバーで帰路の途中食事をしていた時のこと。当社側の中国人スタッフに一本の電話が入りました。どうやら先ほどの新規取引先の面談相手の様です。何か言い忘れた事でもあったのかと思い、電話が終わった後に「何の話だった?」と聞いてみました。するとスタッフが言いました。「お宅はいくら私にマージンをくれるんだ?と言う問い合わせでした」。中国もまだまだ建前社会でした。もちろん彼には何も渡さず、同社とも取引しませんでした。

③死ぬかと思ったエピソード

タクシーに乗っていた時に交通事故に2回遭いました。

1回目は福建省の商談相手の所に向かう途中です。山あいの道を走っていましたが、いきなり追突されました。中国は右側通行ですが、その勢いで車が半分道路からはみ出して崖下へ落ちかけました。幸い私は無事でしたが、同席していた同僚はむち打ちになり病院送りになりました。映画「ジュラシックパーク」のワンシーンを思い出しました(後で)。

2回目は北京の空港へ向かう途中でした。今は違うと思いますが、昔は空港内に駐車すると料金が発生するため、空港に近い高速道路脇に車を停めて時間調整している人が多数いました。私が乗ったタクシーが空港へ向かってその横を通り抜けるとき、その停めている車の列から車が急に発進してきました!タクシー運転手がとっさに急ブレーキ&ハンドルを全切りして衝突はスレスレで回避!しかしその時に相手の車とタクシーのドアミラーが接触し、右後ろの席で窓を開けて座っていた私の顔の横20センチくらいの所を風切り音を立てて吹き飛んで行きました。結局そのタクシー運転手はそこで示談をするので私に降りてくれと言い、後から来た別のタクシーをヒッチハイク(高速道路上の話です)してくれたので私は無事空港に到着しました。「ミッションインポッシブル」のワンシーンを思い出しました(これも後で)。

中国で仕事する上で注意した方がいいこと

日本企業ゆえの良いところを出していく

まずは日本人/日本企業ゆえの良いところを前面に出すべきと思います。細部にまで行き届いた提案、気配りを聞かせた応対、礼儀正しさ、誠実さなどです。注意した方が良い、と言うかむしろこれは私のお願いでもあります。

見た目のスマートさ、意思決定の早さと言う点で日本人と日本企業は欧米のそれに比べ
どうしても見劣りします。不利な部分を埋める努力も大事ですが、我々が本来持っている
強みをもっと出したほうが相手には響くでしょう。

中国人との付き合いで注意した方がいいこと

①仕事面では

にかく結論を急がされる場合が多いので、要求には可能な限り早く回答をすること。
主張が強いので、まずは話を聞くこと。相手の話を途中で遮らないこと。
メンツを立てることも重要です。仕事上の立場もあり、本当は優しいはずの人がキツめのことを言ってくることも多々あります。すべてを受け入れる必要はないですが言っていることを理解しようとする姿勢は見せましょう。

②プライベート面では

あまりせこい面を見せないこと。中国人の方と食事に行くと、必ず払ってくれようとします。割り勘といった考えはありません。最初の段階はご馳走になってもいいと思いますか、何回かは自分が全部払うようにしましょう。もし割り勘の場面が来たら必ず多めに出しましょう。

中国語学習についてのアドバイス

中国語学習のポイントは四声

日本では初めての外国語として英語を学びますが、私は中国語を学んだ方が良いと思います。何故なら同じ漢字圏である日本人にとって、中国語は最も理解しやすい言語だからです。日本人が英語を勉強しても世界標準並みになるのは難しいですが、中国語であればスタートの時点でシード権を与えられているようなものです。せっかくのアドバンテージを有効に使い中国語を勉強することを強くお勧めします。

私は中国語のポイントは四声だと思っています。発音の善し悪しよりも、話すときのリズムや抑揚が正しければ、相手には十分伝わります。中国独特の発音に最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくると日本語の発音に非常に似ており、一定のパターンがあることに気づくと思います。そうなってくれば語彙力は飛躍的に向上すると思います。

通じなくても落ち込む事は全くありません。私は以前会話が通じなかった中国人のタクシーの運転手に「お前は普通語を話すから俺は分からない」と言われたことがあります。中国広し、通じないことが普通です。

中国で働くことで得られる経験や能力

仕事観や従来のやり方を見直すことができる

中国はとにかく変化が激しく、スピードが最重要視されます。新しく商品を出すにしても、日本では品質面や販売体制を整備してからようやく発表するのに対し、中国はまず他に先んじて商品を世に出すことを重視し、市場から得られた評判や苦情といったものは走りながらフィードバックしていくスタイルをとります。(以下:中国ではEV車も普通に走っている)

日本では市場が成熟しており、新しいものに対しては「まがい物ではないか?」といった疑いが先によぎりますが、中国は新しいものを受け入れる土壌ができており、それを背景に新たな商品やサービスが次々に生まれています。

日本とは違うビジネススタイルを経験する事は、その後の仕事観や従来のやり方を見直す大きな機会になると思います。外国人の我々にとっても非常にビジネスを始めやすい環境であり、失敗しても何度でもチャレンジができる市場といえます。また、中国で生まれたビジネスは日本でも同じように展開ができるものがあるはずです。言い方が悪いですが中国での成功事例を模倣した「パクリビジネス」は商機が高いと思います。

中国おすすめ情報

①何よりも先にWechatPay/AliPayを使えるようにすること

中国は今やキャッシュレス決済が常識で、すべてのサービスがスマホで行われます。We hatPay/AliPayが使えるようになれば怖いくらい便利なサービスが享受できますが、使えないと死活問題になりうる不便を強いられることになります。

【駐在員の場合】
WechatPay/AliPayには中国の携帯と銀行口座が必要になります。特に銀行口座の開設は今は非常に厳しい審査があり、居留許可や労働ビザがないと開設は難しいと言われています。

【出張ベースの場合】
出張ベースで中国に行く場合なら、あらかじめ日本で中国の携帯をレンタルするのが便利です。中国に到着後はAlipayのアプリをインストールし、これを外国人用の”Tour Pass”にて設定し、レンタル携帯電話で認証し、支払いに自分の持っているクレジットカードを紐づけします。ここで注意するのは、クレジットカードによっては認証されない場合があることです。詳細は不明で正直やってみないと分かりません。自分の持っているクレジットカードを全て片っ端から試してみるのが良いのですが、持参するのも危ないのでカードの両面をスマホで写真を撮って置くとよいかと思います。ただし写真の扱いには十分ご注意ください。

②銀行口座を作る

銀行口座を作るのは厳しい審査がある、と言いました。しかし私は昨年出張時に「中国にはこんなに銀行がいっぱいあるので、ひょっとしたらどこか作ってくれる銀行があるかもしれない」と思い、携帯電話と短期ビザのみのパスポートだけを手に、出張時に滞在していた上海市の某地区の銀行を片っ端から当たる事にしました。失うものは何もない、当たって砕けろ精神でトライをした結果、何と数件目に訪問した某地方銀行で口座を開設することが出来ました!一人で訪ねてきた日本人をかわいそうに思ってくれた親切な行員?のおかげだったのでしょうか、おかげで私も晴れて中国社会で生きていく権利を得られた気がしました。

③移動は飛行機より電車

国土の広い中国の中での移動はふつうは飛行機になりますが、私は可能な限り電車を使うことをおすすめします。飛行機はもちろん飛んでいる時間は短いですが、中国の過密フライトスケジュールと天候の変動により遅延が頻繁に起こります。

一方電車は私の知る限り定刻運航が多く、移動中もシートベルト不要でスマホやパソコンの使用も自由ですのでロスが少ないです。皮肉なことに中国では電車の座席に座ったまま大声で電話をしている人に対して周りが寛容なので、自分もそれに便乗して座ったまま仕事の電話をかけまくっていました。

昨年11月に広州⇒上海の夜行列車に乗りましたが、非常にきれいで快適でした。昔は窓が開けっ放しで廊下は乗客が食べたひまわりの種の皮が飛び散っていましたが、今はフルエアコンでゴミ一つ落ちていません。「世界の車窓から」で放送されるなら間違いなく高級な旅のカテゴリーです。(写真上:駅の様子、写真下:夜行列車のきれいな車内)

④食事はローカルの店がおいしくて安い

中国も今や先進国なので、地元の人が行く店で食事をしても衛生面の問題はほとんどありません。その中でもワンタンか小籠包の店はどこへ行ってもほぼ外れはありません。十分に加熱されているので腹をこわす可能性も極めて低いと思います。

上海市の地下鉄2号線江蘇路下車、愚園路にある「上海富春小籠包」はテレビドラマや抖音(Douyin、中国版TikTok)にもよく出てくる有名な店でいつも混雑しています。2020年には東京の池袋にもオープンしたと聞きました。

これから中国で仕事をする人へ

昨年3ヶ月ほど中国に出張してきました。よく日本では、「日本は貧困化している」と報道でよく言われていますが、まさしくその状況であることを実感しました。物価は上がり、中国人の給料も上がり購買力が上がり、経済発展を遂げてきた中国と中国人は自信に満ち溢れ将来はさらに自分たちの生活が良くなるものと信じています。残念ながら日本を取り巻く環境は、我々を前向きにさせる材料に乏しく、それゆえに保守的な国民気質をさらに深めています。

これからビジネスを広げていこうとする皆さんは、軸足を日本ではなく中国に置くことで中国の経済発展に伴い自分のビジネスチャンスを多数得られると考えます。日本と異なり中国には新しいものを受け入れる土壌があり、そして失敗を糧に再チャレンジできる風土があります。ぜひ失敗を恐れずに皆さんのビジネスを展開してもらいたいと思います。

日本のサッカー界では若きサムライたちが海を渡り、海外を舞台にプレーする事で、回りまわって日本のサッカーのレベルを上げています。ビジネスの世界でも皆さんの中国での奮闘が、回りまわって日本のビジネスを加速させてくれる事を願っています。

気をつけるポイント!

・納期や生産量などの変更はよくあることと心得よ
・政府が裏取引について取り締まりを強化していることを知っておくこと
・仕事上の要求には可能な限り早く回答をすること
・主張が強いので、まずは話を聞くこと
・メンツを立てること
・中国では銀行口座を開設しキャッシュレス決済が便利
・移動は飛行機より電車の方が快適
・中国はとにかく変化が激しく、スピードが最重要視される
・ビジネスは失敗してもまた再チャレンジができる国