中国ビジネス

【中国人の働き方】スジの日本人と量の中国人

【中国働き方】スジの日本人と量の中国人

本日は、これから赴任する中国において、日本人と中国人との違いを学び、その違いにもとづいて、どの様に彼らと付き合っていくのが良いかという事について勉強したのでご紹介します。

今回参考にさせて頂いた図書は「スッキリ中国論(著者:田中信彦)」です。こちらの文書はとても読みやすく、内容的にもとても理解できました。
ちなみに、私はまだ実は一度も中国に訪れた事が無いので、こちらの参考図書を元に多少、現時点での私の考察を記載している部分もございます。

もし実際に現地と違うような箇所や考え方がございましたらご指摘頂けると幸いです。

それでは、どうぞ宜しくお願いします。

1)スジの日本と量の中国

まず最初に、日本人と中国人の考え方の違いについて、スジと量という視点で説明します。
日本社会では、会社や学校などいたるところで「社会人たるもの早起きするべき」とか「借りた金は返すべき」とか「〇〇するべき」というセリフを良く聞きます。

日本では小さい頃からこの様に、本来ならこうするべきとか、こうあるべきと言った教え方をします。

この「〜ベキ」と言うのがスジと言う考え方です。

一方、中国では「〇〇するべき」と言った、いわば理想論というか常識的な発想はさておき、現実的に考えて今、「ある」か「無い」か、「多い」か「少ない」か、「強い」か「弱い」かという「量の多寡」による考え方が一般的です。
これが量の考え方です。
これは、物の見方に対する両者の考え方の違いです。
「スジ」から入る日本人は、まだ現実に行っていない事でも頭の中で「本来あるべき姿」を頭の中に描く修正がある。

そして先回りして対策を立てようとする。

一方で中国人は「物事の原則」そのものには余りとらわれずに「量」つまり「現実」を優先する。

状況に併せて判断していく思考様式なので、「現段階」で見えていない事にはそれほど興味が沸かない特性がある。

2)仕事の仕組み化が苦手な中国人

古来、日本や欧米では「神様」や「世間様」とった第三者の存在で人の行動を規制してきた側面がある。

悪いことをしようとすると「神様」や「世間様」が見ていて、罰があたるよという考え方です。

ここから、本来〇〇べきという、今のスジ論が出来上がってきたと考えられています。

それに対して、中国では儒教の教えが根底にあります。

儒教の教えでは本来「人は自らの力で立派な人間になろう」という考え方があります。

つまり素晴らしい人間と言うのは、自分でルールを決め自分で行動していける人間であって、誰かが決めたルールや仕組みでしか仕事出来ないのは能力が無い証拠だという発想です。

こう言った発想が根底にあるため中国では「仕組化」や「マニュアル」が根付きにくいという側面があります。

3)継続を安定と考える日本人、継続をリスクと考える中国人

中国人の仕事感について調べていくと、よく中国人は仕事を直ぐに辞めていくという話を聞きます。

日本では一つの会社に所属したら出来るだけ長期間一つの会社で働くという考え方が一般的です。

継続することによって能力が向上し社内でのポジションも上がり収入も安定するという発想が多いからです。

それに対して中国人は一つの会社に長く勤める事をリスクと考える人が多いです。

一つの会社に長期間いると、もし仮にその会社をクビになった時に生きて行けなくなる。

だからある程度仕事の知識を習得した段階でさっさと今の会社を辞めてしまい、今より給料のいい会社や、よりスキルアップができる会社に転職してしまう。

そうやって常に自分の市場価値を高める為に必死になります。

また収入源も一つに絞らずに副業して別の収入をキープしておく。

そうやって考え方や収入のオプションを多数キープしておく事が、中国人が考える安定です。

彼らからしてみたら日本人の考え方に非常に違和感を感じると思う。

4)量の中国でどのようにスジを通すか?

では、我々日本人はこれだけ考え方の違う中国の人とどのように付き合っていけばよいのでしょうか?
その為には、まずはお互いの考え方の違いを理解する事が第一です。

日本人からして見れば理解不能な彼らの行動は、実は向こうから見ても同じ様に理解不能と思われているかも知れません。

それはどちらかが正解と言うわけではなく、状況によってバランスを保ちながら判断する余裕を先ずはこちら側が持たないと上手くいきません。

今中国では、スマホの出現によりこれまでの政府が情報統制により単一の情報によって国民の考えを操作する時代から誰もが積極的にSNSやインターネットを使って情報交換する時代に変わって来ており、それにより様々な価値観を持つ人が増えてきています。

そしてその中には日本人の様に、物事の「本来あるべき姿」とは何か考える人もいます。
もちろん日本人として崩せないプライドがあり、スジ論で主張する場面も時には必要ですか、何事にも常に100%正解を求め過ぎない様に中国人と付き合う時は考えて接する必要があると思いました。

5)まとめ

まだ中国に赴任したわけでは無いので、とりあえず今現状の認識として一度纏めてみました。また実際に中国に行ってみて中国人と一緒に仕事をしてみてから、もう一度中国人との付き合い方について書きたいと思います。

それでは失礼します。